シャンプーの話

 先日シャンプーがなくなったので、会社帰りに小倉駅ビル内のドラッグストアで新しいものを買った。ちなみになくなってしまったその日の夜は、容器の中に水を少量入れ、じゃぶじゃぶした泡を頭に振りかけて洗った。
 シャンプーを買うときにいつも困るのは、両極端なものしかないことだ。超男物と超女物。薬機法ぎりぎりのところで何とか「髪の毛が増える」ニュアンスを出したい超男物と、つやつやさらさら栄養補給綺麗な髪へといった感じの超女物だ。僕はどちらも欲しくない。汚れの落ちる髪用のしゃぼんでさえあればいいのだ。実際は医薬品、医薬部外品でない以上、どちらも単なる汚れの落ちる髪用のしゃぼんでしかないのだけど。
 トニック類も含めて育毛プロモーションだらけの男物売り場でシャンプーを物色していると、単純に髪の毛のことを気にしている人みたいになっていやだ。今のところまだ気にしていない。いや、正確には、元々でこが広めなこともあって、二十代のころは気にしていた。でも結局僕はハゲなかった(今のところ)。
 かと言って女物の棚に行けば、「このおじさん髪の毛を綺麗にしたいのかしら?」みたいな感じになる。別に綺麗にしたくない。
 何をこじつけめいたきめ細やかなこと言ってんだと思われるかもしれないが、もしあなたたちが僕に会い、「シャンプー何使ってるんですか?」と聞く機会が今後あったとして、僕が「サクセスです」と言えば「あー」と思うでしょう? もし「TSUBAKIです」と答えれば「えー」と思うでしょう? そういうこと。