土曜日

 超大型ゴールデンウィーク前最後の、普通の土日。GWの旅の予約などをして過ごしている。今日まで怠けて色々な旅の手配をしていなかったので、船や宿の予約で若干手こずっている。どこもいっぱい。だけどなんとかなりそうだ。

 今日は久しぶりに近所のお気に入りのラーメンを食べた。注文のときにラーメンの種類を注文したあと「にんにくで」と言うとスープに(たぶん)すりおろしにんにくが入り、えもいわれぬおいしいスープになる。でも今日は、ラーメンを食べたあとにクルマ屋でクルマの点検予定だったから、「にんにくで」はやめておいた。別にクルマ屋に行くくらいではにんにく臭なんて気にしないんだけど、なんとなく最近はにんにくに距離を置き始めている。

「俺たち、しばらく会わないほうがいいと思うんだ」という感じ。たぶん。

「にんにくで」は食べると今でもおいしいと思うんだけど、あのいつまでも残るにんにくの感じが、最近なんだか嫌だなと思った。これからはずっとそういう感覚が続くのかどうかはわからないけど。続かない気がする。だってにんにくはおいしいから。ちょっと前まで「にんにくで」の余韻を味わうため、食後のたばこも吸わなかったくらいだから。

 そう言えばここ一、二年、ラーメン探索をやめていた。知っているおいしいラーメン屋のみで済ませていた。このあいだ久しぶりにラーメン屋情報を調べてみると、ちょっと気になるラーメン屋が小倉駅周辺で二軒見つかったので、今度行ってみようと思う。

改札メンバー

 定期切れの朝。もしかしたら今日からクルマ+モノレール通勤になるかもと先週末思っていたから、金曜日に定期を更新しなかったのだ。北九州市の施策で「北九州モノレールを使って通勤をするならば、南端のモノレール駅の専用駐車場を月2000円で貸してやろう」というのがある。よい施策だと思うが、とにかく契約までの道のりが面倒臭過ぎた。まず福岡銀行口座振替しかだめ。平日の17時くらいまでに実際に駐車場がある駅の窓口まで来て申し込みをしなくてはだめ。会社の電話番号などの情報が必要。「空きはたくさんありますよー」と市の担当者は言っていたが、それはそうだろう。これだけ面倒臭ければ。
 というわけでいつものように今日も電車通勤。自宅最寄駅は無人駅なので定期を買うことができない。そのため小倉までの片道切符を買った。電車に乗っているあいだ、今朝はこの切符で改札を通らなきゃなと心に念じていたのだが、小倉駅について喫煙室でタバコを一服しているあいだにすっかり忘れてしまった。結果、期限切れの定期を改札に通してガシャンととおせんぼ。
 若者たちよ、知っているか。昔はどの駅にも、切符や定期を拝見する改札員というメンバーがいたのだ。

あけましておめでとう抜刀

 1月9日。まだまだ朝の通勤電車で座れるんじゃないかと思っていたけど、そんなことはなかった。学生たちはすっかりと、律儀に電車に戻っていた。さすが学生。
 年末年始はお酒をたくさん飲んで過ごし毎日酔っ払って寝ていた。出勤した5日も飲み会でお酒を飲んだ。6、7もお酒をたくさん飲んで酔っ払って寝た。さすがにまずいと思い、昨日はお酒を飲まず酔っ払わなかった。そしたら眠れなかった。やばい。これはやばいゾーンだ。というわけで今年はお酒に気をつけていきます。
 睡眠不足のせいで今日は眠かった。ランチの時間にデスクに突っ伏してみたら30分ほど寝られた。ランチ時間に机に突っ伏して寝られる人ってすごいなとこれまで思っていたんだけど、自分もその仲間入りができた。帰りの電車でも頭をガックンガックンしながら自宅最寄り駅の1つ前まで熟睡していた。電車で眠る人には二種類の人間がいる。いつでも刀を抜ける人間と、抜けない人間だ。自分は寝たとしてもこれまで前者だったが、今日は後者だった。
 対面に座る60歳くらいの紳士が「いかがなものか」という顔をしていた気がした。

IQOS

 数週間前からアイコス、加熱式タバコというものに手を出している。初めて吸ったときは少し物足りない気がしたけど、今ではそうは思わない。普通のタバコはもう絶対に吸わないと決めているわけではないので、一日に一、二本吸ってみたりするけど、アイコスに慣れた今、吸ったときの薬品感がすごい。あれは、燃焼促進剤とか、巻紙に含まれる何かとか、添加物の感じだろうか。その点アイコスは、純粋にニコチンを摂取している感じがする。“体にニコチンを摂取するための純粋な作業”というのも何だか気持ち悪い感じだけど、煙管で刻みたばこを吸う感覚に似ていると少し思う。自分的には。無添加
 もし普通の紙巻きタバコは絶対吸うな、アイコスだけで済ませろと言われても、今は可能な状態のように思う。結局私の体は純粋にニコチンだけを所望しているのだ。ニコチン中毒者なのだ。アイコスには紙巻きたばこを吸うときのような、何というか変な醍醐味がないのだから。例えば東南アジアで、化学調味料たっぷりのフォーを食べるときのような。食べたことないけど。
 ニコチンという成分を摂取するだけで事足りている感覚があるので、じわりじわりと摂取量を減らしていけば、このまま変な醍醐味を思い出すこともなく、もしかしたらタバコを止められるのかもしれない。
 5月31日の「世界禁煙デー」勤めている会社は喫煙室が一日閉鎖された。一日だけでも禁煙してみない? という取り組みだ。その日は何となくリフレッシュルームでぼんやり休憩したりした。何もせずただただぼうっとした。それはそれで体を休めている感覚があって、心地よいかもしれないと思ったりした。

すわインフル

 今日はお昼くらいから急激に体が熱くなった。すわインフルエンザか!? と思ったが、ランチ時間に自席で寝ていたらすーっと体の熱さは引いていった。波が引くように。なんなんでしょうねこれは。人間ドッグでは見つからない自律神経系の何かのような気もするけど。夜になった今は、なんとなく後頭部が重い程度。ふつうの風邪かな。ふつうの風邪だとしたら、俺一時間で治した。すごいじゃない。
 夕食はハンバーグとスパゲティナポリタンという子供みたいなメニュー。でもおでんが二日続いていたのでおいしかった。ほんとおでんが好きじゃない。嫌いでもないけど。大根だけを上手に煮たやつを食べてみてほしい。そしておでんの大根と比べてみてほしい。
 今週の金曜は男だけの硬派な焼肉会。わりといい肉を使った食い放題の店で、酒を飲むことすら禁止されそうな感じである。ソフトドリンクと食い放題メニューだけで、ひたすらがっつくことにしよう。まだがっつけるだろうか。

バレンタインデー暗殺

 会社では義理チョコ的なものを何個かもらったけど、誰がくれたのかわからないものが一個あった。ランチから戻ると、デスクの上にポツンと置かれていた。くれそうな人に「くれた?」と聞いてみるわけにもいかず。だってくれてなかったら「すいません私はあげてないです……」みたいな変な空気になるじゃない。
 お返しに買っておいたお菓子を、3/14の前の晩にお腹が空いて食べちゃったこともある私だから、誰だかわからんものはただ食べるだけで終わりだ! と思っているけど、よく考えるとちょっと怖いね。よくわからんもの食っちゃった。これを書いている今まだ私は生きているので、毒は盛られていないようである。

ぼくのだいじなにっき

 ぼくは先日、インターネットの通販サイトで個人用のロッカーを買った。自分の部屋で使うためだ。幅23センチ、奥行き35センチ、高さ36センチの、ダイヤル施錠式のロッカーだ。ぼくは早速そのロッカーの中に大事なものを入れ、ダイヤルで鍵をかけた。これでひと安心だ。
 次の日、仕事から帰ってくると母が言った。
「こないだあんたに届いた荷物、やけに重くて大きかったけど、あのロッカーかね」
「そうだよ」
「あんな鍵のついたロッカーを部屋に置いてると、泥棒に持ってかれるよ。目立つし。ただでさえ日中窓開けっ放しの田舎の家なんだから」
「大丈夫。金目のものは入ってないから」
 ぼくは確かにロッカーに、大事なものを入れた。でもそれは、現金や通帳などの金目のものではない。僕が入れたのは日記だ。
 書いたり書かなかったり、ウェブに書いてみたりと、途切れ途切れの日記だけど、それでも約10年分くらいの、紙の日記がある。その日記の内容といえば、まあひどいものだ。ぼくはウェブに、人に公開される形の日記も書くけど、そんなウェブ日記よりもひどい内容だ。例えば…… というような一例も出せないくらいひどい。
 そのような紙の日記を、これまでは本棚の奥に隠していた。でも、いつまでもそのような隠し方ではやばいと思っていた。何しろ母は油断のならない人物であるし、良識というものを持ち合わせていない。もし何かのきっかけでぼくの日記を見つけたら、きっと貪り読むだろう。
 確かに部屋の中に鍵付きのロッカーがデンと鎮座していれば、泥棒の目につくだろう。でも、どこの誰ともしれない泥棒にこのロッカーを盗まれ、こじ開けられて日記を見られるとしても、それはまあ仕方ないと思っていた。泥棒がこの面白い(ある意味)日記を読んだとしても、きっとその先ぼくと関わることはないのだから。
 ただ、たとえロッカーを盗まれたとしても、できればその泥棒さんには返してもらいたい。泥棒さんにしてみれば何の価値もない人の日記だ。効果があるかどうかはわからないけど、ぼくはロッカーの中にある仕掛けをしておいた。
       ■
 台風が歴史的な進路を取った夏が過ぎ、新車に乗り換えた秋が過ぎ去ったころ、ロッカーはどうやら本当に泥棒に盗まれた。夏や秋には無事で、家のドアや窓をしっかりと閉じるようになった冬のはじめに盗まれた。そういうものかもしれない。
 ぼくがロッカーに施した仕掛け、それは泥棒さんに宛てた手紙だ。以下のような内容になる。
「このロッカーを盗んだ人へ。見ての通り、金目のものは何も入っていません。このロッカーにあるものは、私の日記のみです。読んだのならわかるでしょうがひどい日記で、家族から隠すためにこのロッカーを使っていました。もしあなたが、この日記を私に返してくれるというのなら、私にはお礼をする用意があります。10万円。現金でも振り込みでも対応します。あなたが私に日記を郵送で送ってくれて、そこに口座番号を書いたメモを添えてくれてもいい。返信先の住所を書いた現金書留を同封してくれてもいい。ぜひ、お願いします。どのようなことがあっても、ロッカーが盗まれたことを警察に知らせることはありません。その点は安心してください」
 果たして1ヶ月ほど経ったある日、ぼくに小包が届いた。そこには10年分の日記があり、また、口座番号の書かれたメモがあり、そのメモにはこう書かれていた。
「日記はそのままお返しします。10万円、お願いします」
 誰がお前なんかに10万円やるかい。人の日記を盗みやがって。
       ■
 やっぱりね、そういうことだろうと思ったよ。あいつに日記を送り返して3ヶ月、そろそろ暖かくなってきたというのに、金なんていっさい振り込まれない。まあそうだろうな。まさか泥棒の方から「金くれよ」って登場するわけないって、そう思うもんな。ふつうは。でもまあ、ちょっと考えが浅はかかもしれないよ。
 わたしは10年分の彼の日記のコピーをまとめはじめた。ほんとは製本でもしたいところだけど、そうか、製本ね。製本してやろうか。ネットで申し込みできるね。ククク。手書き日記をそのまま製本。10年分。あとはメモも書かないとね。
「10万円が振り込まれないので、あなたの日記を製本してみました。そのうち1冊を送ってみます。わたしの手元には、10年分コンプリートしてあります。もしこの日記を、あなたではない誰かに郵送されたくなかったら、1週間以内に100万円振り込んでください。念のため、口座番号をもう一度お知らせしておきます。では」
 こんな感じでいいか。ふふ。まさかあの子の部屋で、ロッカーの鍵をこじ開けて中身を見るわけにはいかなかったもんね。