かしわめし

 福岡県全域ではないかもしれない。北九州市の人限定なのかもしれないけど、東筑軒のかしわめしと言えば、多くの人が知っている。ああ、そう言えば九州駅弁大賞(?)で一位になったから、福岡県人くらいは知ってるか。今日はお昼にそれを食べた。
 東筑軒はたぶん北九州市の中では外れのほうに位置する、折尾という場所にある。知名度が高い駅弁なので、小倉駅売店やらおみやげもの売り場でじゃんじゃん売られているのかなと思っていた。でも実際は、小倉駅構内だと新幹線改札のなんちゃらって売店でしか売っていないという情報があり、「えー、それじゃ新幹線に乗る人しか買えないじゃん!」と思っていた。他に小倉駅周辺の売り場といえばコレット井筒屋(ローカルですみませんね)の一階にあるようだったが、コレットは駅から見ると会社と反対方向にあるので、朝買いに行くのはだるいし、昼休みに買いに行ってそれから食べるのは、時間的に少し厳しい。
 というわけで半ば“東筑軒の”かしわめしは諦めかけていた。ああそういえばかしわめしの説明をしていませんでした。画像についてはツイッターでも見てもらうとして、かしわというのは福岡でよく使われる言葉で鶏肉のことです。わりと細切れにした鶏肉(超粗挽きミンチくらいか?)を甘辛く味付けして、ご飯の上に錦糸卵や細かく刻んだ海苔とともに載せたものです。ざっくり言うと。ご飯にもわりと甘辛い味がついている。駅弁にしては安めの七百七十円。
 で、なんだっけ?
 そうそう、東筑軒のかしわめしは諦めかけていて、それでも他のメーカーのかしわめしは小倉駅売店で売っている。だから、もう東筑軒でなくてもいいかなあとも思い始めていたんだけど、今朝出勤時にふと思い立って、ふらふらと新幹線のりばまで出向いてみたら、なんと、新幹線改札の「手前」に、東筑軒のかしわめしを売っている売店があるではありませんか。
 嬉々として入店し、めざとく東筑軒のかしわめしを見つけ、妙に丁重な店員さんとやりとりをしたうえで、無事かしわめしを買うことができました。
 それにしても最近は、ついに僕も心臓に毛が生えたなと実感するようなことばかりだったけど、昼休みに昼飯として駅弁をさらけ出すのは思ったよりも恥ずかしかった。隠しながら食べた。喫煙室で話すようになったちょっと年下くらいの男性に、「あさ駅で新幹線改札に向かってたから、どこに行くのかと思いましたよ。駅弁ですか」と言われました。新幹線乗り場にまっすぐ向かう俺、だったからね。まあ確かにどこか遠くへ行きたい。かしわめしを持って。