再読

 今日はついにこたつ布団を撤去した。面倒くさがって、テーブルの上にいっぱいものを置いたまま、こたつ布団だけをずるずると引き抜く感じで外した。毎年、かなり遅くまでこたつのままにしておくので、今年は結構早めの撤去だ。そして今、案の定寒い。
 積ん読がなくなってしまったので、ここ数日は昔読んだエッセイなどを読み返している。既読の本を読み返してみるときは、小説よりもエッセイが好み。好きすぎて何度も読み返した小説というのもあるけど。
 読み返してみたら新しい発見があったとか、昔は気づかなかったものに気がついたとかいうようなことを言いたい。だけど僕の場合、そのような体験をした覚えがない。いつも「そうそう、こうだった」と思う。それはそれでいいんだけど。
 ただ、本のページに何かしらの汚れがついていたりすると、妙に心がざわつく。もし髪の毛なんて挟まっていたら、かなり大きな心の動きがありそうな気がする。髪の毛一本で、その本を初めて読んだ当時の自分のことを思い出したりだとか、当時かかわった人たちのことだとか、そういうことを。