旅、という言葉の恥ずかしさよ

 世間様とずれた六連休。三日目、四日目と、知らない土地までクルマで出向いた。五日目の今日、ようやく自分の部屋でだらだらと過ごす。こうして“ようやく”となんとなく書いてしまったところをみると、僕がほんとうにやりたいことは“だらだら”なのではないかという気がしてくる。これは少し残念なことではあるが、だいたいそういうことなんだろう。やる気は、まず行動することによってもたらされる、触発される、ある意味では不自然な気なのかもしれない。
 どこか知らない、遠くの土地に出かける度に、自分は家が大好きだなと実感する。それこそ、家で何をするともなく、だらだらしているのが一番好きなのだ、と思い当たる。ただ、遠く見慣れぬ土地で、少しの後悔を持ちながら過ごす時間に、多くのことに気づいたりするのも事実だ。だから意図的に知らない土地で過ごす時間は、少し大げさな心持ちで言えば、半ば修行だと言ってもいい。間違いなく旅好きの人間ではないとわかっているからこそ、それでも、半年に一度はどこか知らない土地での時間を過ごしたいと今回も思った。
 それにしても、旅先で見かける女の子たちの集団は、ほんとうにキャッキャッ キャッキャッしていて、楽しんでいるなあと思った。いわゆる旅のプロフェッショナル(?)の方たちから見れば、眉間に皺を寄せるような光景もあったかもしれないが、僕には何かあの光景が、神聖なもののように思えた。