二十度

 今日の福岡の最高気温は二十度という天気予報を昨夜聞いていたのに、朝八時に起きた僕は布団のなかで震えた。なにが二十度、4月下旬並みの暖かさでしょう、だ。
 でも、少し寒かったのは午前中だけで、午後からどんどん気温は上昇した(と思われる)。一時間くらいのあいだだけど、数ヶ月ぶりに部屋の窓を開けて過ごしたくらいだ。
 毎年春が来て、暖かな日が訪れると、とても優しい気持ちになる。正確に言うと、自分のなかの優しい気持ちが掘り起こされるような気がする。若干の悲しみを内包しながら。
 でもそれは、三月、それも特に中盤以降の暖かな日に訪れる気持ちであって、一月や二月に暖かな日が訪れると、「ラッキー」と思ったり、裏腹に「ぬるい、気持ち悪い」と思ったりするだけだ。
 今日の午後はまさに、ぬるい、気持ち悪い感じだった。でも風呂は、ぬるい湯に入った。