さっきまで

なにもしない なにもしない
さっきまで、MacのOmmWriterという全画面のテキストエディタに向かって、そう思っていた。
さっきまで、ここは真っ白な紙で、本当になにもしていなかったし、なにもなかった。
今はこうして、汚れた記号がいくつか並び始めている。
さっき、クルマに忘れたiPhoneを取りに行った。
ものすごくめんどくさい気持ちだった。
あやうく、クルマのカギを持たずに取りに行くところだった。大惨事になるところだった。
今日は読めないなと思ったので、書いている。
蠅はそろそろ季節外れだろうと、憤ってスプレーを噴射したが、昨日は台風が通過したのだった。
思いは色褪せるが、出来事は色褪せない。
遠く離れて、小さくなってしまったから、いつも満ちている。
西暦5121年、8月5日の満月に思いを馳せて。