作ってもらっていることを忘れるな

 今日の昼ごはんはいつものラーメン屋に行ったんだけど、僕が行く前にいたと思われるテーブル席(恐らく子供込みで4人)の食い残しっぷりがひどくて悲しい気分になった。まずい店ではないし、見た感じ、恐らく阿呆みたいに注文したあげく残したんだろうな。
 僕は飯屋で食い残したことは、人生で数えるほどしかないんだけど、食い残すにしろ作法はあると思うんだよね。何度かあったそういうときには、こう、麺をラーメン丼の底に押し込めてわからなくしたりして、まあバレバレなんだけど、気持ちの問題。店の人が少しでも悲しい気持ちにならないように。店の人はそういうの、慣れているのかもしれないけどさ。
 今日見たのはラーメンもチャーハンも餃子もほんとに無造作に食い残していて気分が悪くなった。ラーメン丼の縁にチャーシューがへばりついてたりしてたよ。ありえん。エサにありついた動物の補食後みたいな光景だった。自分が残して、丼にへばりつくチャーシューの光景を見て、なんとも思わない人間もいるのだな。そんな親に育てられる子供は可哀想だけど、しょうがいない、畜生一家に生まれたのだから。人生のどこかの時点で自分で気づいて、人間になれることを祈る。
 僕はいつも飯屋で無口だけど、今日は帰るとき「おいしかったです」とでも言おうかとも思った。が、僕より一足先に帰ったニイチャンが「おいしかったです」と言っていたのでいつもの無口。