ふしをわける

 節分と言うと、なんか言いながら豆をまくというくらいの認識しかなかったけど、「節を分ける」という素敵な考え方があるんだね。会社の年上のかたに、帰りの電車で教わった。いわく「僕は暮れ正月よりも節分のほうが気持が改まるな。厄年も節分で終るでしょ?」と。
 とは言われても、急に昨日2月2日と今日2月3日の節目を、暮れ正月のような気持で過ごすことはできなかった。残念。僕は意図的に区切りを設けるような考え方は嫌いなんだけど、それは「よし、今日から俺は!」みたいな意図的な決意や改め思考が嫌いなだけであって、節目を迎える気分は好きなのです。大晦日正月とか、誕生日とか。「ああ、節目をまたいでるな」って感慨が。誕生日はそうでもないか。
 それにしても、恵方巻きの「ある方角を向いて黙って食べ終える」というやつはどうにもイヤ。伝統的な習慣には割と嬉々として従うわたくしですが、あれは不自然すぎる。まあそもそも“伝統的”な習慣ではないとは思うけど。我が家でも数年前からブームに乗っかって、親が節分には恵方巻きを買ってきたり作ったりするが、黙ることも変な方角を向くこともなく普通に食べている。今年もそうした。