ジンと靴下、ライムとレモン

 午前中に用事を済ませて、お昼から気になっていたラーメン屋へクルマで向かう。カーソングは昨夜iTunesからダウンロードしたアルバムで、15年ぶりに奇跡的にバンド名を思い出すという離れ業をやってのけた。齢を重ねると忘れやすくなるんじゃなくて、たぶん覚える力が減るんだな。かすかに体験したことでも、それが例えば20代前半のころの出来事なら、思い出は突き刺すように蘇ってくる。
 そのラーメン屋には駐車場がないので、近くにあるいわゆる大規模複合商業施設の駐車場にクルマを停める。駐車場は地面のやつも含めて計3階分あるのかな。ああいう立体駐車場的なものに初めてクルマを停めたけど、結構シビアですね。後ろのクルマは追っかけてくるし(僕も前のクルマ追っかけたけど)、下りてくるクルマとの合流もあるし、プチ横断歩道もあるし、上り坂は急だし。すわ! これは坂道発進では!? って局面もあったけど、ものすごくじっくり前のクルマに近づいて、停車しなくて済んだ。坂道発進なんて、教習所内での仮免試験でやったのが最後だよ。家の前の坂で練習しとこうかな。しなくても大丈夫か、たぶん。
 ところでああいう郊外型大規模商業施設ってのは、今まであんまり意識したことがなかったというか、ともすれば馬鹿にしがちな心を持っていたんだけど、やっぱり便利っちゃあ便利ですね。ジンと靴下と、あとライムが売り切れていたのでレモンを買いました。靴下は防臭って書いてたやつを買った。冬は足が臭くなりがちなんでね。なんでだろうね、寒いのに。
 その後目的のラーメン屋へ。実はラーメンにはあまり期待をしていないお店で、食べログで見る限りではとにかくからあげがうまそうだった。大ぶりのからあげが2個。ちょい小さめのケンタッキー2個くらい。ただ、そのラーメン屋でからあげとごはんのみ、なんて頼みかたはできない。いやできるかもしれないけど、結構店主が恐いという噂の店なのだ。なので最低でもラーメン+でかいからあげ2という頼みかたをしなくちゃいけないんだけど、店に入って色んなお客への小煩い注意書きを見ているうちに、これは残したりしたら大変なことになるぞと思って「ラーメンください」と、か細く言うわたくしでした。
 タクシー運転手のおっさんとか、同年代っぽい工事する人の集団とかみんなラーメン+からあげ+ごはんで食ってたし、近所のおじいちゃんっぽい人はドンブリに大輪の花を咲かせたようなとんでもないチャーシューメンをずるずるがつがつ食ってるし、自分はなんとも情けない感じであった。
 ラーメン自体はいわゆるドトンコツ。超こゆい。味はまあまあ。お金払って店でるとき「持ち帰りからあげ」のメニューが目に入ったので、会社帰りにまた行ってみよう。ラーメンだけ食ってからあげを持ち帰ろうそうしよう。