仲間

 世間様の3連休に全て出勤し、本日は休み。やらなければいけないことをひととおり終えて、自転車で近所をくるりと一周、部屋に戻って一息つき、お昼ご飯は何にしようかなどと考えた。
 仕事については、特に休日の出勤が義務づけられているわけではない。でも、休日に出勤することが多い。季節柄なのか、最近は土日の朝、街へ向かってクルマを走らせていると、田舎に向かってバイクを転がすバイカーの集団とすれ違う。おととい日曜日の朝なんかは、3グループとすれ違った。あれは楽しそうだねえ。仲間って感じ。
 それとは別に昨日の夜は、会社から駐車場まで歩いていると、歩道に3台のバイクが止まっていた。男2人、女1人だったが、女の子のバイクのハンドルだかライトだかブレーキだかにちょっと不具合があるらしく、夜の歩道で1台のバイクのライトを明かりにして、男たちがちょこちょこ修理をしていた。まあ深刻な故障じゃなかったからかもしれないが、男のひとたちは「まかせとけ」というような余裕の雰囲気で手を動かしていて、女の子もにこにことその様子を見守っていた。まぜてー、って感じ。
 まざることなく僕は駐車場へ入り、クルマのエンジンに火をいれて、タバコの先にも火をつける。カーステレオが朝の続きを流し始め世界の中断を意識させるが、FMのボタンを押してもみ消した。道路に乗って10メートルほど走れば、先ほどの3人がいたけれど、交差点の信号機が不穏な空気を醸し出していたので、僕はアクセルを踏み込んだ。