ふたりカンタビレ

 今日から新学期、さぞかし電車内に溢れかえる高校生たちがうざかろうと思っていたけど、そんなにうざくなかった。うざくないです、高校生。
 まーでも声はでかいね高校生。よくもまあそんな内輪な話を下世話な話をとんちんかんな話を、電車内ででかい声でできるもんだと感心しきり。ちょっと恥ずかしい感じの話をしているときは、目の前の人間にも「あ゛?」って聞き返される僕としてみれば、少々見習いたいところでもある。誰も俺の秘密の話になんて興味ないって、みたいな。
 そんな感じで、10代の夏休みの思い出なんかを聞き流しながら、窓からの景色は流れていく。時間は流れる。キミとボクの左胸のうえで。