雨降りの朝で、雨上がりの夕

 今日はお昼休みに金を下ろしたかったので、コンビニに行った。久しぶりにコンビニめしを食ってもいいかなと思ったので、グラタンとチキンバーガーと杏仁豆腐を購入。
 会社の休憩室に戻り、太った同僚の隣に座る。その同僚は、一部では「粗大ゴミ」との異名を取っている逸材である。
 拙者がグラタン、チキンバーガー、杏仁豆腐と、順番に袋から取り出すと、粗大ゴミは一品一品、いちいち食い入るように見つめておった。これはおぬしの兵糧ではない。それにおぬし、もうひるべんとうは食したであろう?
 そして拙者、またしても傘を持って帰るの忘れた。朝持ってきた傘を、またしても会社に忘れた。忘れたことに気づいたのは、帰宅途中の乗換え駅で、ホームの階段を上っているときである。あまりの腹立たしさに、拙者は誰かに八つ当たりをしたかった。
 階段は上る人と下る人でごった返している。すれ違う男どもに、空想の刀を抜く。ばっさばっさと十人ばかりの侍を切り倒し、拙者はつぶやく。おぬしら、拙者が傘を持ってなくてよかったな。