はたらくひとたち 

 昼から大事な仕事の書類をばたばたとまとめて、四時くらいから近所を三十分ほど散歩。川の側の道路に軽トラックが止まっていて、おっさんがなにやらガサゴソとやっておる。見れば鮮魚がたくさん入っていたんじゃないかって感じの発泡スチロールの箱を、川までたくさん持っていって洗っていた。箱だけしかなかったが、匂いで魚を入れていたのだろうなと思った。いいもん見れた。魚屋のおっさんが発泡スチロールの箱を川で洗っている風景なんて、なかなか見られるもんじゃないですよ。
 そんな風景の前を通り過ぎ、北へしばらく歩いたあとまた戻ってくる。するとおっさんはまだ軽トラックのとこでガサゴソとなにやらやっていた。僕と目が合うと「こんにちは」と言ってきたので僕も「こんにちは」と言った。僕も川で箱を洗う仕事をしてみたいと、ちょっと思った。