雨が宿るひとたち

takimoto2004-09-16

昼過ぎ、モノレールに乗っていたら、ひどい夕立に遭う。なんとなく不穏な空気を感じた三十秒後くらいに、まるでガソリンスタンドの洗車機に突っ込んでいくような感じで、モノレールは夕立に突っ込んでいった。駅に止まったときに、客たちが「もしかしたらここで足止め?」という顔をするくらいのすごい夕立だった。僕は雷が落ちたときのことを考えて、手すりから手を離したりなど。前に座っている人は思いっきり手すりにもたれかかっていて、死ぬならこの人だなと思った。
小倉駅に着いたら、この駅は結構新しいのだが、駅構内がいたるところですごい雨漏り。外はひどい雷雨で、もう傘がどうとかいうレベルでもなかった。しかも夕立が終わったあと晴れたりもせず、ぱらぱらと弱い雨が降っていた。
小降りの雨のなか一通り用事を済ませ、今度は駅二つ離れた街で別の用事。いざ移動しようと思ったら、雨と落雷と強風の影響で電車がオールストップ。どこかで竜巻でも起こったか? と思いつつ、待っていてもしかたがないので、バスで移動してみることにした。しかし慣れ親しんだ街でも、いつもとちょっとパターンが違うというだけで全くわけが分からなくなる。どのバスに乗ったら目的地に行けるのかが分からない。というかバスの乗り方が分からない。『百円周回』ってバスは特別なのかしら。バスに乗ったらすぐ箱に百円入れるの? などと思いながら、おろおろとバスに乗る。バスに乗ると、いつもと視点が違うだけなのに、その街は途端に見慣れない景色になった。もしかしてとんでもない場所に向かっているんじゃないだろうかと不安になりながら乗っていると、「次は○○駅前〜」と。ピンポンを押して降りた。
降りたその街での用事も終え、家に帰るために駅に行くと、電車は動き始めたようだったが、「どの電車が来るか分からない状況です」というアナウンスが流れていた。その駅の近くには高校があるらしく、すごいミニスカートの高校生女子たちが駅にわんさかいて、目に栄養を蓄えつつこのままいつまでも待ってやろうかとも思ったが、思い直してバスで帰ってみることにした。
結構な距離を歩いて、うちに帰れるバスの止まる停留所に着く。すぐにお目当てのバスが来て乗ってみると、電車が止まっていた影響なのかとても混んでいた。停留所三つ分くらい進んだとき、一番後ろの席が空いたので座った。左隣が派手な女性で、右隣がじいさん。携帯電話の着メロが鳴り響いたかと思うと、派手な女は甘ったるい声で話し始め、それは久しぶりに聞く東京弁だった。