雨の日

 朝起きて、庭でタバコを吸っていると、ずいぶんと雨はしとしとと降っていて、梅雨の季節を思い出した。梅雨は実際に訪れると案外やっかいな季節だが、離れた季節からうっとりと想像すると、悪くない季節だ。だから今日は、一日中家で雨音でも聞きながら本でも読んでいたい気分だったが、そういうわけにも行かず出社。
 クルマを走らせるうちに、雨音は次第に激しくなり、春のそれとなった。クルマの運転はずいぶんと恐がりなんだけど、荒れた天気のなかを走らすのはわりと好き。クルマの利便性を意識できるからだろうか。いや、そんな損得勘定的なことではないな。なぜか好き。
 勤務地近くの通称「旧電車道(昔路面電車が走っていたことから)」に入ってから、カーステレオ(死語?)をラジオからiPhoneのプレイリストに変えた。今日は「はっぴいえんど」。聴いていると、夏が恋しくなった。リスペクトするほどに冬が好きだった僕だけど、ここ数年で、急速に暑い季節を許し始めている。