ドライブおにぎり

 昨日の夜は目覚ましをかけ忘れてしまい、今朝はいつもより二十分ほど遅く起きてしまった。朝ごはん食べる時間を省略すれば、まあまあ会社に遅刻せずに済む時間。そこで、台所にいた母に朝ごはんはいいからおにぎり作っといて、と頼んだ。もろもろの支度を済ませ、四十分ほどでタッパーに入ったおにぎり一個をカバンに入れて家を出た。
 おにぎりは、クルマの中で食べた。運転中の携帯電話での通話が禁止されている昨今だから、運転中のおにぎり食べるも恐らく禁止である。なので、おにぎりは主に信号待ちで食べた。これまでに二、三度、信号待ちのバックミラーに、おにぎりを頬張る女の子を見たことがある。そのときのかわいい光景を思い出し、でも俺ではあの感じは無理だ、とも思い、できるだけワイルドに食べたものである。