わからないなら必要ないってことだ

 実にやる気に満ちあふれていた今日の僕は、午後から小倉まで使い捨てコンタクトと刻みたばこを買いに行こうと思いつつ、午前中から精力的にやらなければいけないことをこなした。
 1時ごろにそろそろ出発かな、と思いつつ出かける準備をしているときにふと、ふと? あれ? と不吉な気づきが。カード入れからコンタクト屋のメンバーズカードを取り出してみると、案の定「定休日 火曜日」と書いてあった。やっぱりね。そうよね。やる気があるときの僕は、いつもどこか抜けてるよね。ほら、僕は財布やらタバコやらケータイやらをぼろぼろ落としながら光の射すほうへ駈けて行くから、きみは全部拾いながら追いかけておいで、もーしょうがないなあとか言いながら。
 というわけで一気にやる気がしぼみ、そりゃいくらちょっと特殊な刻みたばことはいえ、たばこを買うためだけに小倉に行くのか…… って一瞬思ったんだけど、なんだか今日は出かけたほうがいい気がして、そのまま出かける。そうだ、あの店でラーメン食べようなどと思いつつ。
 青空の下でクルマを走らせて小倉に着く。うん、これは良かった。そして小倉城近くの喫煙所でタバコを吸い、まずは目当てのラーメン屋へ。
「本日臨終休業とさせていただきます」
 思うんだけど、自分(たち)が決めた日時にちゃんと営業するってのは、飲食店にとって結構大事なことだと思うんだ。そんなわけで、目当てじゃないラーメン屋に行ったけど、そこそこおいしかったな。東京とかで流行りそうな豚骨ラーメンだった。
 昼ごはん食べてから無印に寄ってみると、赤のチェックの厚手長袖シャツがあって「無印なのに赤!」と思って思わず買ってしまった。僕はどうやら無印に淡さを見ているらしいし、例えばGAPにこのシャツがあったとしても、たぶん買っていないだろう。
 目当ての刻みたばこは「小粋」1カートンと、あと「宝島」も買った。宝島は小粋に比べると、品質としてはかなり劣るんだけど、そこがまた良いというような感じもあって、ときどき買っている。
 夕飯は寄せ鍋。夕飯前にはオールデンとアイリッシュセッター(靴)の手入れを久々にやった。世の中には、靴の手入れについて実に神経質になっている方もおられるようだけど、手入れしなきゃいけないときは、靴のほうから訴えてくるよ。「そろそろきれいにしてくれよ」って。それがわからないのなら、手入れしなきゃいけないほど、ちゃんと汚れたことがないんだ。