記録

 1月7日未明、祖母が亡くなった。95歳だった。

 僕は5日に急性胃炎のような症状になり、体調が思わしくないなかで、通夜と葬式を迎えた。
 ばあさんは昨年の9月下旬、体調不良で入院した。特にどこか大きな病気があるわけではなかったが、いわゆる老衰のため、心臓と腎臓の機能が低下し入院した。
 昨年末には、ほんの3日程度ではあったけれども、一時退院をした。ばあさんは病院でも評判がよく、一時退院時は病院に来ていた若い実習生たちがわざわざ集まってきて、記念撮影をしたらしい。最期、息を引き取ったときは死に慣れているはずの主治医や看護士たちも涙したらしい。
 このあいだまで、僕が何を話してもあんなににっこりと笑っていたばあさんが、家に帰ってきてからは僕がなにを話しかけても笑わなかった。人が死ぬってことは、こういうことなんだと思った。
 まだ生きている僕たちは、喜んだり怒ったり、哀しんだり楽しんだりする権利を持っている。僕はこれから、素直に喜んだり怒ったり哀しんだり楽しんだりして生きていくから、ばあさん見守っていてくれ。ありがとう。