いつかギラギラする日

 ぼくに大きな変化が起こったら、その全てを、きみに語りつくしたい。電話では話しきれそうもないから、どこかおいしい料理と、おいしいお酒を出してくれるお店で、ゆっくりと話したい。
 ぼくに何も変化が起きなかったら、変わらない日常を、ゆっくりと穏やかに、きみに語りつくしたい。安いチェーンの居酒屋で、水割りじゃないかって思うほど、薄いロックの焼酎を飲みながら。
 きみがゆっくりと変わっていっても、きっとあの子は、そのことに気がつかない。なぜならあの子は、この先も全く変わることのない、まっすぐな人生を歩いているから。
 ぼくときみが、曲がっているというわけではないのだけれど、それだけは言っておきたい。そして曲がっているぼくたちこそ、まっすぐなんだって、断言はできないんだけれども。