コワクナイ

 一人暮らしをしているときはスーパーマイルドシャンプーを使っていたのだが、実家に帰ってきてからは風呂場にいつもある、わけのわからない適当なシャンプーを使っていた。
 しかし今日風呂に入って髪を洗おうとしたときに、見慣れないシャンプーを発見。いかにも男性用トニックシャンプーといった感じのやつ。確か僕は高校生のときまではこの手のシャンプーを使っていたのだが、大学生のとき髪を切る人に「あなたの猫のような髪の毛に男性用シャンプーはあまり良くない」と言われ、使わなくなっていた。
 久しぶりに使ってみると、頭皮がびっくりするくらいスースーした。そして泡を洗い落とすときには「キュッキュッ」とまるで石鹸で頭を洗ったかのような音がした。


 ところで。おじさんでも、とてつもなくみっしりと髪の毛が生えている人いますよね。こう、きっちりとした角刈りやスポーツ刈りで、まるでゴルフ場のグリーンのように、芝が密生しているかのように髪の毛が生えている人。うちの親父がそういう人だった。五十歳までは。
 この人は決してハゲることはないなあと感じさせる人だったのに、あっという間にハゲてしまいました。
 薄毛は遺伝だというから、息子である僕もそれなりに恐怖心があるのだが、でもよく考えたら五十歳まで髪の毛あったら充分だなあ。明日すぐにつるっぱげになったら困るけど、約二十年後にはそのへん俺すごくどうでもよくなってそう。