空に舞い上がれ

 毎年不思議に思うんだけど、新入社員って男はみんなスーツで会社通いを始め、年を取るにつれてそのスーツのグレードやモードが変わることはあるけれど、結局定年するまでスーツであることに変わりはない。
 なので、今日から通勤! みたいな子でも、見た目としては、2年目3年目の勤め人と同じ。まあ実際は着こなせていないから、「あーあれ新入社員だな」ってわかるけども。
 でも女の人は違う。フォーマル義務付けの企業なら、新入社員は絶対それとわかるようなリクルートスーツを着ている。黒色でひざ上丈くらいのやつ。
 でも既存女性社員は、リクルートスーツを着ていない。ある程度フォーマルな装いではあるけれども、みんな自由な服を着ている。いったいいつの時点で、あの女性たちがリクルートスーツを脱ぎ捨てるのか。
 あまり早い段階で自由な服を着始めると、同性たち、特に先輩女性社員たちに、きらーん☆ とした目つきで睨まれることは想像に難くない。いったいどの時点で、変化 OK の線引きしてるんだろう。
 逆に同期の新入社員たちが、みんな自由に服を着始めているのに、自分だけまだリクルートスーツってのも恥ずかしいだろう。「昨日までみんなリクルートスーツだったのに、今日はわたしだけ!」みたいな。
 ということは同期のみんなで示し合わせているのですか? ある日突然「せーの」で、リクルートスーツたちは中に舞うのですか?