自転車の勝ち

 今日は十時間寝た。
 家の前の道路を、レースに出るかのような完全武装の自転車の集団が走り抜けていった。らっきょのようなヘルメットをかぶり、タイツ(?)もぴちぴち。自転車もすごいやつだった。全部で二十人くらい。
 集団の一番後ろにはコーチっぽい人が軽自動車でついてたんだけど、どうやら道がわからなくなってしまったらしく、車を止めて運転席から身を乗り出し、地図を出して誰かに道を聞いていた。コーチのそんな苦境などお構いなしに、自転車の集団はすごいスピードでどんどん進む。やっとコーチの車が動きだしたとき、自転車の集団は遥か彼方だった。コーチの顔も超あせってたし、自転車の勝ち。